当院で診療できる主な性感染症

性感染症イメージ画像

性感染症の多くの症状が、皮膚や泌尿器系に症状が出るため、泌尿器科、産婦人科、皮膚科を受診されることが多いと思います。
性感染症専門のクリニックも存在し、選択肢が多様化しています。
近年、性志向が多様化している影響で尿道、子宮頚管だけでなく、咽頭への感染も増加しています。
しかし、咽頭への性感染症は所見に乏しく、一般の耳鼻咽喉科では診断・検査・治療が困難なことが多々あります。
性感染症内科で十分に研鑽を積んだ経験を生かして、専門領域である咽頭感染症だけでなく、泌尿器系の症状も含めて診察・診断・治療(視診は男性のみに限らせて頂きます)いたします。
保険診療可能な項目もございますので、診察室にてご相談ください

淋菌感染症

淋菌感染症は、淋菌による感染症であり、主に男性の尿道炎、女性の子宮頚管炎を引き起こします。
1回の性行為による感染伝達率は高く、約30%と考えられています。
2日~7日の潜伏期間を経た後に尿道炎を発症し、排尿時の痛み、尿に膿が混じる、外陰部のかゆみなどの症状がみられます。重症例では、精巣上体炎、卵管炎を生じることもあります。
咽頭淋菌の症状は、のどの痛み、違和感がみられることがありますが、無症状のことも少なくありません。
疑わしい病歴があれば、できるだけ早期に検査・治療を受けるようにしましょう。

最も有効な治療は、セフトリアキソン(CTRX:ロセフィン)の静脈注射となります。
セファロスポリン系薬剤にアレルギーのある方は、ニューキノロン系薬又は、ミノサイクリンの使用を検討します。

クラミジア感染症

性器クラミジア感染症は、クラミジア・トラコマティスによる感染症です。1~3週の潜伏期間を経た後に、男性では尿道炎や精巣上体炎を、女性では子宮頚管炎と骨盤内炎症性疾患を発症します。
無症候性感染が少なからずあるため、蔓延を防ぐための積極的な検査が必要となります。
咽頭感染による症状は特徴的なものはなく扁桃炎、咽頭炎と判別が困難のため、知らないうちにパートナーに感染させないように注意が必要です。

治療の第一選択は、アジスロマイシンの内服です。

梅毒

梅毒は、梅毒トレポネーマと呼ばれる細菌による感染症です。
以前は母子感染によるケースも多かったと言われていますが、現在は性行為による感染が大半です。梅毒感染者との性行為から3週間程度の潜伏期間を経てから発症します。
2021年以降、急速に患者数が増えており、2022年10月に集計されたデータでは、感染症法が施行された1999年以来初めて、10,000例を上回っています。

第一期病変の初期硬結と硬性下疳は、性器に次いで口唇・舌・扁桃に好発します。初期硬結が数日経過し潰瘍化したものが硬性下疳で、どちらもコリコリとしていて硬く、小豆大~指頭大で暗赤色を呈します。痛みが無いことが多く、放置していても3~6週間で消えていきます。しかし、病気が治ったわけではありません。
第二期病変の粘膜斑の好発部位は、扁桃と口蓋弓粘膜辺りで、典型例では口蓋垂を中心に蝶が羽を広げたような形、いわゆるbutterfly appearanceを呈しています。
しばらくすると、全身に赤い発疹ができたり、性器や肛門周囲に扁平コンジローマができたりします。

検査はリスクのある行為があってから、約1か月後に行います。
治療の第一選択は、アモキシシリンの内服を28日間行います。治療初めのころに発熱を伴うことがあり、ヤーリッシュ・ヘルクスハイマー反応と呼ばれます。

マイコプラズマ

マイコプラズマというと、肺炎の原因菌を思い浮かべる方も多いかと思います。
肺炎の原因菌が、性感染病の原因にもなるのかと思われた方もいらっしゃるかもしれません。
肺炎を引き起こすのは、マイコプラズマ・ニューモニエという種類です。マイコプラズマ・ニューモニエに感染すると、風邪(発熱、頭痛、乾いた咳など)のような症状が出現します。6~12歳のお子さんにかかりやすい病気です。

性感染症におけるマイコプラズマは、2012年から自由診療の医療機関で検査できるようになりました。一般にはあまり知られていないものの、実際はクラミジア、淋菌に次ぐ多さともいわれています。
マイコプラズマという最近は、その種類が多く、そのうち性感染症の原因となるのは、マイコプラズマ・ホニミス、マイコプラズマ・ジェニタリウムの2種類です。

潜伏期間は約3日~5週間程度と言われています。
耳鼻咽喉科領域の症状としては、マイコプラズマが咽頭に感染し咽頭炎を引き起こすため、咽頭痛や咽頭違和感が出現します。
また、泌尿器科、婦人科領域の症状として、男性では尿道炎や前立腺炎、女性では子宮頚管炎や不妊症を引き起こすと言われています。
治療は、抗生剤の投与を行いますが、薬剤耐性菌が増えており、難渋することもしばしばあります。

ウレアプラズマ

原因菌のウレアプラズマには、ウレアプラズマ・ウレアリチカム、ウレアプラズマ・パルバムの2種類があります。
ウレアプラズマは女性では4割近くの人にみられ、症状が出ないことも多いため、常在菌なのか、病原菌なのか、長年意見が分かれていました。現在では、低病原性細菌の見方が有力になっています。
比較的新しい性感染症で、日本では2012年から自由診療で検査が可能となりました。

潜伏期間は約3日~5週間と言われています。
耳鼻咽喉科領域の症状としては、咽頭痛や咽頭違和感が出現します。無症状のことも多く、検査してみて初めて感染していたことが判明する場合が多いです。
また、泌尿器科、婦人科領域の症状として、男性では尿道及び前立腺の炎症や男性不妊、女性では膣炎を引き起こします。マイコプラズマ感染症と似通った症状と言えます。
ただ、妊娠時に感染していると、胎児への影響が出ることがあるため注意が必要です。
治療は、抗生剤の投与を行います。薬剤耐性菌が増えている点もマイコプラズマとよく似ています。

尖圭コンジローマ

尖圭コンジローマは、ヒトパピローマウイルス6型、11型(HPV)による感染症です。
主に性行為が原因となり、3週間~8ヵ月程度の潜伏期間を経て発症します。
感染者との性行為でうつる確率は非常に高く、60~80%と言われています。
発症すると外陰部や肛門の周囲などに腫瘤ができます。
よくみられる症状は、外陰部のしこりや違和感です。
痛みを伴わないことが多いのですが、鶏冠のような形状の腫瘤ができるので、比較的に気づきやすい病気です。
また、オーラルセックスを介して、口腔、咽頭にもうつる可能性があります。
治療は薬物治療、冷凍凝固治療、外科治療が行われます。薬物治療は、イミキモド(ベセルナ)クリームを1日おきに患部に塗布します。完治までに数週間から数ヵ月程度を要することがあります。

咽頭・喉頭乳頭腫、中咽頭癌について

乳頭腫(パピローマ)は、口の中やノドにできる、表面がカリフラワー様の良性腫瘍です。
乳頭腫の原因は尖圭コンジローマと同じHPV6型、11型(低リスク型)です。幼少期に感染するものは産道感染と言われていますが、性行為による感染経路も指摘されています。稀に癌化する可能性があるため、注意が必要です。
また、近年増加しているHPV関連中咽頭癌の発症に関与するのは、HPV16型、18型(高リスク型)であり、子宮頸癌の原因でもあります。HPV関連中咽頭癌は性活動が発生のリスクとなり、パートナーが多いほど発生のリスクは増大します。

性器ヘルペス

性器ヘルペスは、単純ヘルペスウイルスによる感染症のひとつであり、2~10日程度の潜伏期間を経てから発症します。
なお、単純ヘルペスウイルスには1型と2型があるのですが、性行為によって感染するウイルスの大半は2型です。
主な症状は、陰部や口唇の痛み、水疱、潰瘍などです。
治療にあたっては、ウイルスの増殖を抑制する抗ウイルス薬を用いることが一般的です。

HIV感染症

HIV感染症は、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)による感染症です。
感染経路は、血液感染や母子感染のケースもありますが、その多くは性行為によるものだと言われています。
このウイルスに感染すると、初期の段階では、発熱、のどの痛み、リンパ節の腫れ、赤い発疹、口内炎などの症状がみられます。
ただし、発症から2~3週間程度すると、こうした症状は治まります。

その後、無症状な状態が数年~10年ほど続くとされていますが、この期間を過ぎると、免疫不全の状態に陥り、AIDSを発症します。
治療においては、いくつかの抗HIV薬を組み合わせて内服する多剤併用療法などを行います。

性感染症における
自由診療の料金表

電話での料金の問い合わせ、保険適応などの問い合わせはご遠慮下さい。
即日検査は終了30分前までとさせて頂いております。

診察料
2,000円(税込)
処方料
500円(税込)

血液検査

梅毒 TP抗体検査(即日検査)
2,500円(税込)
梅毒 TP定性検査
1,000円(税込)
HIV 抗原抗体検査(即日検査)
4,500円(税込)
HIV 抗原抗体検査
3,000円(税込)
B型肝炎 HBs抗原
3,000円(税込)
C型肝炎 HCV抗体
3,000円(税込)

咽頭検査

淋菌
3,000円(税込)
クラミジア
3,000円(税込)
マイコプラズマ+ウレアプラズマ
5,500円(税込)

尿検査

淋菌(即日検査)
4,500円(税込)
淋菌
3,000円(税込)
クラミジア(即日検査)
4,500円(税込)
クラミジア
3,000円(税込)
マイコプラズマ+ウレアプラズマ
5,500円(税込)
トリコモナス
3,000円(税込)

治療

点滴治療(淋菌)
7,000円(税込)
抗生剤内服(内服1回)
4,000円(税込)
抗生剤内服(内服7日間)
5,000円(税込)
  • 抗生剤を使用すると、吐き気、下痢、めまい、発疹などが生じる場合があります。
  • 症状が改善されても自己判断で服薬をやめるなどはせず、必ず医師の指示通り服用してください。