当院のリハビリについて
めまいリハビリについて
めまいの治療では、主に薬物療法が以前から広く行われていましたが、十分な効果が得られず、治療期間が長引いているケースもありました。
こうした患者さんには、めまいリハビリが効果的となることもあります。
とくに、良性発作性頭位めまい症が何度も繰り返されるケース、前庭神経炎で長期にめまいが持続するケースなどの患者さんに対して、日常生活動作を改善する目的で、平衡訓練/前庭リハビリテーションが有効です。
また、高齢者になると約3割が日常生活に支障をきたすようなめまいやふらつきなどの症状が生じているとの報告もあります。リハビリを行うことで転倒のリスクを減らし、歩行能力の改善にもつながるため、長期化しているケースでは、めまいリハビリをお勧めします。
このような症状はご相談ください
- 周囲の景色が回って見えたことがある
- 歩行時に、ふわふわした感覚がある
- 頭がふらふらする
- 吐き気や嘔吐を覚えたことがある
- 車や電車などで気分が悪くなった
- 耳がつまっているような感覚がある
- 周囲の音が聞こえにくい
- 鏡などを見たとき、フラフラしたことがある など
めまいの原因を突き止めてからのリハビリが重要
めまいリハビリを自己判断で行っている方もいらっしゃるようですが、それは危険です。
何が原因でめまいが起こっているのかを知ることがめまい改善の第一歩と考えます。当院では、眼振のチェック、聴力の評価、ふらつきの評価(重心動揺)、必要に応じて頭部の評価(脳外科と連携)を行います。
その上で、個人個人に必要なリハビリを提案し、やり方を指導いたします。
一度のみの指導では、途中でやり方を忘れてしまったり、モチベーションが下がってしまったりと継続できない方もおられると思いますので、定期的にめまい外来にお越しいただき、きちんと行えているのかチェックを行い、その都度必要なリハビリを調整していきます。
リハビリは何より、継続することが大切です。御自身のみで、リハビリを長期間継続できるように一緒に頑張っていきましょう。
※めまい外来は、特定の曜日・時間帯になる可能性があります。
嗅覚リハビリ(嗅覚刺激療法)
嗅覚障害の治療法の1つとして、嗅覚刺激療法が注目されています。
嗅覚刺激療法の対象となるのは、嗅神経又は、嗅覚の受容体に異常がある場合となります。花粉症で鼻の粘膜が腫れていたり、鼻茸で匂いの分子が受容体まで届かないことが原因で生じている嗅覚障害は対象となりません。そのため、まずは鼻の中をファイバーカメラでしっかりと診察することが大切です。
嗅覚の評価法としては、基準球力検査(T&T olfactometry)と静脈性嗅覚検査があります。前者は換気設備が必要となるため、専門施設のみで実施されています。
嗅神経は強い刺激を与えることで、シナプス可塑性を誘導することが出来ます。つまり、嗅神経細胞は神経細胞でありながら、再性能を持ちます。そのため、嗅覚の完全脱失となり、まったく匂いを感じなくなっても、嗅覚刺激療法で嗅覚伝導路を活性化することにより、全例ではありませんが機能の回復が見込めるのです。
当院では、Hummelら(2009)が行った嗅覚リハビリテーションを参考に、日本人になじみのある匂いを用いた刺激療法の指導を行っています。
このような症状はご相談ください
- 風邪ひいた後に匂いがしない/低下した
- コロナ後遺症で匂いがしない/低下した
- 味覚と嗅覚がなくなった/低下した
- 鼻つまりがある
- 鼻炎症状がある